【星のはなびら2~対決☆タコタコタコ星~】3話

「信じて。宇宙を巻き込むデスゲームに立ち向かえ!」

小説 星のはなびら(1章~最終章)&ノベルゲーム(アンノウンゲームマシロ・恋してタコキス~ほろぼされた星~・(プラネット同一体))がひとつの物語となって動き出す。ダークファンタジーな続編!不定期で1話ずつ公開します。

「小説しかしらないよ」「ゲームしかしらないよ」(実はキャラしかしらないよ)…って方も、知っていきながら楽しめる内容にしていきますので、興味がある方はこの機会にぜひ♪(●´ω`●)

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星のはなびら2~対決☆タコタコタコ星~(不定期更新中☆)
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(゜o゜)♡

読み始める前に

異性同性間の恋愛表現、残酷な表現を含みます。作品をお読みになる前に以下の注意事項を必ずご確認ください。(作品をお読みになった時点で、同意いただいたものといたします。)

【星のはなびら2~対決☆タコタコタコ星~】3話 本文

辺りはすっかり暗くなってしまった。1人の青年がタコの形のステッキで足元を照らし、怪しい森の中を進んでいく。赤い髪と黒縁メガネ…彼は「ブレイブ☆タコキス」。ミニキスとタコパチが心をひとつにして変身(合体)した姿だ。肩にはフィカキスが座っている。ひとつの体と意識を共有する2人は、頭の中で会話することができる。

出かける前にイカパチに電話をかけたが出なかった。結局、居場所は聞き出せないままだ。しかし会いたい気持ちを我慢することはできなかった。

今、タコパチとミニキスは魔法でイカパチを探している。ステッキから放たれる赤色の光についていけば、その先にイカパチがいるはず…なのだが。光は更に危険な森の奥へと進んでいく。

ブレイブ☆タコキス/ミニキス「絶対おかしいって!魔法間違えてるんちゃう?こんな森の奥にイカパチさんがおるわけないやん!」

フィカキス「これ以上進んだら危ないで。足を滑らせたり、高いとこから落ちたりしたら大変や…」

ブレイブ☆タコキス/タコパチ「僕を誰だと思ってるの♪こんな簡単な魔法を間違えるはずがないよ。イカパチはこの先にいる、ぜったい!」

久しぶりに兄弟で話がしたい。最近できた「恋人」と「滅びた星を治して復活させる回復魔法の魔法陣」を見せたい。そして、叶うなら…一緒に帰りたい。もう一度夢を追いかけたい。タコパチはそんな希望を抱いていた。

枝をかき分けて進むと、いくつもの大きな丸太が横たわっているのが見えた。高く積み重なっており、道を塞いでいる。ブレイブ☆タコキスは立ち止まった。

ブレイブ☆タコキス/ミニキス「行き止まりや。もう帰ろうや…」

ブレイブ☆タコキス/タコパチ「行き止まりじゃないよ。この壁を見て確信した、イカパチはこの先にいるんだ。だってこの丸太の壁、すごく不自然だもん…この壁は自然にできたものじゃない、人間が作ったバリケードだよ」

ブレイブ☆タコキス/ミニキス「確かに。じゃあこのバリケード乗り越えて、その先に何も見えへんかったら今日は帰ろう。もうちょっと調べてから、別の日にリベンジしたらええねん」

フィカキス「いや、こんなバリケード作れるか?めちゃくちゃ重いやろうし、魔法とか機械とかないと無理やと思うけど…」

ブレイブ☆タコキスは大きく飛び、丸太の壁に登って向こう側を見た。

そして息を飲んだ。

…大きな洋館がみえた…

洋館は緑と白色のライトで、不気味にライトアップされている。間違いない、あれはイカパチの「城」だ。

フィカキス「な、なにあれー!!」

ブレイブ☆タコキス/ミニキス「嫌な予感がする。タコパチもそう思うやんな。でも行くんやろ?」

ブレイブ☆タコキス/タコパチ「……うん、いくよ」

ブレイブ☆タコキスは洋館へ向けて飛び立った。

― ― ― ― ―

洋館の玄関の前で、ふたりは変身を解いた。タコパチとミニキス、フィカキスは気持ちを確かめるようにそれぞれを見つめて頷いた。タコパチは大きな扉をコンコンとたたいた。

タコパチ「こんばんはー!夜遅くにごめんなさい、タコパチだよ!お兄ちゃんだよー!」

少し待ってみたが、返事はなかった。もう一度だけ扉をたたいてみようと話し合い、タコパチが扉に触れた時…。

ギギ…。

大きな扉が少しだけ開いた。

ミニキス「えっ、鍵かかってないん?森の中やとしても、防犯対策しとかな危ないやんな」

フィカキス「そうやんな〜、鍵かけて、インターホンつけとくべきや」

ミニキス「…そもそも、ほんまにここ、人住んでるん?」

タコパチは隙間から顔を出し、中をのぞく。

タコパチ「住んでそうだよ、いちばん奥の部屋、明かりついてるし。すみませーん!!!」

返事はない。せっかちなミニキスは、扉を開けた。

ミニキス「ほら、フィカキス。出番やで。中見てきて」

フィカキス「はー?嫌や、怖いやん………………も〜!!しゃあないな、チラッと見てくるだけやで」

フィカキスはノリノリで洋館の中へ入っていった。広い玄関を過ぎ、先にある廊下へと向かう。いちばん奥の部屋に向かってまっすぐ歩いていくのを見ていると…突然壁から手が伸びてきた。何者かにガシッと掴まれたフィカキスは、壁の中へと回収された。

タコパチ「!?、フィカキスがいなくなっちゃったよぉ!!」

ミニキス「たこ焼きにされる前に助けにいくで!!」

ふたりはフィカキスが連れ去られた廊下へと走った。しかし長い廊下の壁にはたくさんの扉、部屋があり、フィカキスがどこにいるのかわからない。

ミニキス「1番奥の部屋に行こ。明るいし、誰かおるはずや」

1番奥の部屋は、広いリビングだった。可愛いカエルが描かれた白色の絨毯。革製の大きなソファの上には、緑色のカエルのクッションが置かれている。白と緑でまとまった、高級感と可愛らしさが感じられる部屋だ。

ソファのそばにはなぜか、金属バットが立てかけられている。

ミニキス「なんか変な匂いせえへん?」

タコパチ「タコパチ☆ファイヤーしたあとのにおいに似てるね」

フィカキス「たすけてー!!」

頑丈そうな鳥かごにフィカキスが閉じ込められていた。鍵がかかっている。

タコパチ「これ、レッドデビル☆カンパニーが犯罪者を閉じ込めるために開発した、すっごく頑丈な檻だよ!星の力が使われていて、簡単には開かないんだ」

フィカキス「不法侵入その他もろもろ。オレなんか、犯罪者みたいなもんや…」

ミニキス「そんなん言ってる場合ちゃうわ!イカパチさん、おるんやろ、早く出てきて話しようや!」

部屋の奥にゆらりと人影がみえた。可愛いカエルをイメージした白と緑の衣装…イカパチだった。クスッとイタズラな笑みを浮かべて、マントをはらい、ゆっくり歩いてくる。ふわふわの白い髪が揺れた。

イカパチ(マシロ)「久しぶり、お兄ちゃん♪それから…えっと、ビデオ通話で話したよね、ミニキス君?」

ミニキス「覚えててくれたんや。こんばんは、イカパチさん」

タコパチ「イカパチ!!良かった、元気そうで…。あの、えっと、ごめんね、夜遅くに押しかけちゃって」

イカパチ(マシロ)「気にしないでよ。会えて嬉しいし、僕、サプライズ大好きなんだ♪ソファに座って待ってて、ジュース持ってくるね」

タコパチとミニキスがソファに座って待っていると、イカパチが部屋の奥からオレンジ色のジュースを持ってきた。

イカパチ(マシロ)「はいどうぞ♪見せたいものがあるんでしょ?僕も、見てほしいものがあるんだ、えへへ♡」

タコパチ「ありがとう、…、ごくごく、おいしいよ!うんそうなんだ。でも、イカパチが先に見せてよ♪最近イカパチか何に興味あるのか知りたいし、話したいんだ」

「いいよ♪」と、イカパチも隣に座る。ミニキスは遠慮がちにフィカキスを指さした。

ミニキス「なあなぁ、あのタコ出してあげてや、仲間やねん。なんかの間違いで捕まってしもうたみたいで…」

フィカキス「なぁ、頼む〜」

イカパチ(マシロ)「どうしようかな〜♪」

イカパチは舌をチラッとだして、とぼけている。

ミニキス「ど、どういうつもりや…閉じ込めるってあんまり面白くない冗談やで…なぁ、タコパチ。タコパチ?

…タコパチどうしたん?」

タコパチはソファにもたれてすやすや眠っている。肩を揺すっても、幸せそうに口をむにゃむにゃさせるだけで、なかなか目を覚まさない。

イカパチ(マシロ)「も〜、色々見せたかったのに、寝ちゃったの?まだ日付も変わってないのにね。お兄ちゃんはいつまでたっても子どもなんだ」

イカパチはタコパチの頭を優しく撫でた。ミニキスは不安そうに立ち上がる。

ミニキス「このタイミングで寝るわけないやん。変な魔法かけたんか?まさか、ジュースに睡眠薬いれたん!?」

イカパチ(マシロ)「ふふ、そうだよ。特別製なんだ。大丈夫、体に悪影響はない。ミニキス君のジュースにはいれてないよ。フィカキス君も用事が終わったらだしてあげるね」

フィカキス「なぁ!!ヤバい!!ミニキス!!こいつ背中に銃隠しもってるで!!」

イカパチ(マシロ)「チッ、うるさいゆるキャラだなぁ、次喋ったらたこ焼きにするよ。足を1本ずつ引きちぎって、目の前で焼いてあげるからね」

フィカキス「……」

ミニキス「オレだけ残して、何がしたいん?」

イカパチ(マシロ)「ミニキス君のことが知りたいんだ。君はほろぼされた星からやって来た、イレギュラーな異星人だから、他の参加予定者よりも情報が少ないんだ。過去、力、考え方、知識、大切にしているもの。教えてよ、気になるんだ♪」

ミニキスは不機嫌になって、イカパチと目を合わすのをやめた。

ミニキス「何なん、話すことなんかないわ…。自分の兄に薬飲ませて、オレに喧嘩売って…なんとなく雰囲気で察してたけど、あんまり良い奴じゃないんやな。少なくとも、オレとは気が合わへんタイプやと思う。タコパチ連れて帰るわ、早くフィカキス返してや」

イカパチ(マシロ)「も〜、ミニキス君、怒らないでよ。まぁいいや、気が変わったら色々教えてよ。…お帰りはあちら♪あの扉から外に出られるよ」

フィカキス「ミニキス〜、ちょっと時間かかりそうやけど、体クネらしたら、柵の隙間から出られる気がする…だから、先帰っといて〜」

イカパチが大きな扉を指さす。ミニキスはフィカキスに「いけんの?絶対帰って来んねんで」と声をかけ、タコパチを背負った。イカパチが指さした扉に手をかけて開ける…と、そこは物置だったようで、中に入っていたものが、ガラガラと崩れてきた。

ミニキスは崩れてきたものに埋もれて、尻もちをついた。黒縁メガネが床に落ちる。タコパチも床に転がったが、すやすやと気持ちよさそうに眠っている。

何が崩れて来たのだろう……見た瞬間、体と心が固まってしまった。これはなんだ?どうしてこんなところにあるんだ?信じられない。

メガネを拾ったが、しっかり見るのが怖くて、かけるのはためらった。

思わず、振り返ってイカパチを見た。

イカパチ(マシロ)「見ちゃったね☆ごめんね、帰り道を間違えて教えちゃった。

ふふ…それは人の骨だよ。

僕が主催するデスゲームに負けた人のものを置いてるんだ。ミニキス君みたいな物分りが悪い子に見せて、現実と立場をわからせるためにね」

カチャ。イカパチは背中に隠していた拳銃を、ミニキスに向けた。カエルのキャラクターが描かれた、白色と緑色の武器。カラフルで一見可愛らしいが、その銃口は黒く冷たく、ミニキスを見下ろしていた。

ミニキス「…オ、オレのことが知りたいんやっけ、わかった、質問があるなら答える。できる範囲やけど」

それを聞いたイカパチはほくそ笑んだ。

イカパチ(マシロ)「じゃあ、仲間の命をかけて僕とデスゲームをしよう♪自己紹介ゲーム!

ルールは簡単。

これからミニキス君は僕に自己紹介をする。

でも、話せる話題は3つだけ。例えば、嫌いな食べ物、好きなスポーツ、好きな色…。僕が1番知りたいと思っていることを教えてくれたら、君の勝ち♪

後から変更できないように、僕が知りたい話題はこの紙に書いておくよ。…カキカキ

失敗したら、お兄ちゃんとフィカキス君の命はない♡

僕が負けたら…そうだなぁ。

ひとつだけ何でも言う事を聞いてあげる!」

ミニキス「…やらへん、辞退するわ。デスゲー厶なんか大嫌いや。仲間のいのちを景品にするような…そんなゲームしたくない」

ミニキスは銃口をギッと睨んで言いきった。

イカパチ(マシロ)「え、本気?ノリ悪いなぁ…ミニキス君に、参加するかしないかを選ぶ権利なんてないと思うけどね」

フィカキス「ミニキスー!何言ってんねん、アホ!短気!とりあえず参加しとけって!!」

ミニキス「腹立つんやもん!こんなゲームに参加したら、タコパチが悲しむやろ…!

オレはフィカキスもタコパチも見捨てへん、ただ他の方法で、この男に立ち向かいたいだけや」

イカパチは不機嫌そうに、引き金をひいた。破裂音…銃弾はミニキスの頬に切り傷をつけて、背中の壁に突き刺さった。火薬のにおいがただよう。

ミニキス「いった、こわ…マジか。お前!タコパチに当たったらどうするつもりやねん!!

頬から流れた血が、白色のシャツにシミを作った。

フィカキス「うゎーー!!!泣」

イカパチ(マシロ)「早くしてよ、恋人(クロサキ)が帰ってきちゃう…フィカキスとお兄ちゃんがどうなってもいいの?」

イカパチは更に引き金をひいた。今度はフィカキスの檻にあたり、跳ね返った。

ミニキス「やめろや!!!」

フィカキス「ひぃーー!!!!み、ミニキス、じゃあどうするん!?泣。

まぁ、そもそもフェアじゃないっていうか、勝ち目のないゲームかもしれへんけど、…例えばあの紙に、絶対当てられへん話題を書いたかもしれへんし…」

イカパチ(マシロ)「それはゲームに参加してからのお楽しみでしょ♪待たせないでよ、うずうずしちゃう。

あは…もしかして、怖いの?」

ミニキス「怖いけど、まだ心が現実に追いついてないんや。恐ろしい状況におかれていることを実感できてない。混乱はしてないけど…。

タコパチはイカパチさんと会うのを楽しみにしてた。目が覚めて、デスゲームを楽しむイカパチさんをみたら、何もかもが変わってしまったんやって…ショック受けると思う。

その時、オレはタコパチをしっかり抱きしめて、勇気付けたいと思ってる。

オレを信じて、頼ってほしいって思ってる

そのためにも、こんなところでオレひとりで、イカパチさんに飲み込まれてしまってたらあかんねん。言いなりになってたら、頼りがいも説得力もないやん。

タコパチに、仲間の運命をゲームで決めてもいいと思ってるような奴やと、思われなくない。

大切な人の守り方を間違えたくないから…

オレは立ち向かう。

…フィカキス。オレ、頑張って時間稼ぐから、その檻からでてタコパチを起こしてくれ。タコパチが起きたら、ブレイブ☆タコキスになって、森の外に脱出する作戦や」

フィカキス「体クネらせて出ろってことか?頑張るけど…いや、でもどうやって時間かせぐん?やめとき、絶対後悔するって!」

ミニキス「…先に手ぇ出して、舐めた態度でケンカ売ってきたのはイカパチさんやん。こんな悪趣味なやつ、ボコにしたるわ!」

ミニキスはソファに立てかけてあった、金属バットを手に取った。それを見たイカパチは、大興奮!の表情を浮かべた。

イカパチ(マシロ)「うそぉ!僕と暴力でヤりあうつもり!?♡♡」

ミニキス「言っとくけど、オレのは暴力じゃなく、正当防衛やからな」

イカパチ(マシロ)「あは♡ミニキス君最高だよ!!♡♡君が主人公なのかモブキャラなのか興味があったけど、その行動は予想外だった!!

すっごく楽しい、ころすのもったいないなぁ♪

流石…僕からお兄ちゃんを横取りして、手懐けている男だね、ふふ♪」

イカパチはポケットから、タコパチの退職届を取り出して、目の前で破いて捨ててみせた。

ミニキスはムッとして、バットを握り直した。

フィカキス(早く檻から出なヤバい…ぅググッ…。

オレにはわかる。

ミニキスは「学生時代の出来事」のせいで、暴力嫌いやし、タコパチの大切な弟にケガをさせるつもりはないはずや。だから言葉通り、時間かせぎだけをするつもりなんや。

あいつの仲間思いな性格と行動力は尊敬するけど、無茶するなぁ…オレがプレゼントした体やし、もっと自分を大事にしてほしいわ)

ミニキス「タコパチ、早く起きや!!」

イカパチ(マシロ)「僕も鈍器ほしいけど…近くに何も無いなぁ。素手でいいか」

イカパチは楽しそうに、銃をポケットにしまった。そして先ほどゲームのために用意した紙をとりだした。イカパチが書いた、知りたい話題は「嫌いな食べ物」だった。イカパチはその紙も丸めて投げ捨ててみせた。

イカパチ(マシロ)「楽しみだなぁ、た・の・し・み!僕、命乞いしてる人を見るのが好きなんだ♪

じゃ、バイバ〜イ☆

【4話に続く】

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荒花ぬぬ

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