【クモラナイキセキ・2話】ヤンデレ創作BL小説

はじめに

不定期で一話ずつ更新していく予定です。ファンタジー・ヤンデレBLがテーマのオリジナル小説です。個性的な4人のヤンデレなキャラクターたちとともにハッピーエンド?に向けて進んでいきます!お楽しみいただけますと幸いです♪

作品について

綺麗な容姿と謎めいた素性。健気な涙。それは、夜に輝く光の海、夜景に似ている気がした。

あらすじ
魔法が当たり前に存在する未来
そんな未来からやってきた「ソーダー」という魔法使いの青年に恋をした「カーランク」
禁じられた魔法の使用を取り締まる、魔法管理隊隊長「ポロンボウ」
大魔法の研究者「タンザク王」
恋のために世界をめちゃくちゃにする!これは4人の恋の共犯者の物語

カップリングはカーランク×ソーダー(メインキャラ)、(過去編・ソーダー×タンザク王)、ポロンボウ×タンザク王。…タンザク王は後半に登場します(^▽^)

注意事項

残酷な表現や展開を含む場合があります。その他、著作権や表現に関する注意事項等については以下のページに記載しております。お読みになる前に必ず一度は目を通しておいてください!

過去話はこちら

本編【2話】約3800文字

目が覚めた。ボク(カーランク)はいつの間にか眠っていたようだ。いや、気絶していたのか?重たい体を起こす…何も考える気になれない、なんだか頭が空っぽだ。視界に広がるピンク色の家具で揃えられた小部屋。猫背でぼーっとしているとガチャリと部屋の扉が開いて、誰かの声が聞こえた。

「カーランクくん!目が覚めたんだ、よかったよ。このまま眠り姫になってしまったらどうしようかと思って心配していたんだ。今はちょうどお昼だよ」

ピンク色の長髪、メラメラと輝く赤色の瞳。彼、ソーダーさんの姿を見てボクは全てを思い出す。心配していたなんて言いながら、ボクの両手はピンク色のリボンで縛られたままじゃないか…。

「はぁ、ここはどこなんだ?」

「ここはわたしの隠れ家だよ。空間の隙間に作ってあるんだ、きみを閉じ込めておくにはぴったりだろう?ホットミルクを用意したからお飲み。残りの人生、ここでゆっくりすごしておくれ!」

「ゆっくりすごせるわけないだろ!!!ボクには家族がいるんだ、店もある…ああ、胃が痛い…」

「それなら心配いらないよ、きみの家族にはきちんと説明しておいた。こんな風に。」

ソーダー「夜分に突然訪ねてすみません、カーランクくんの恋人のソーダーと申します」

カーランクのママ「え!カーランクに恋人がいたなんて…あの子照れ屋だからいつも隠し事するのよね。でもイケメンで嬉しいわ〜♪」

ソーダー「ありがとうございます。実は相談事がございまして…カーランクくんが帰りたがらなくてこのまま駆け落ちしたいと言っているんです。湖の綺麗なのどかな地域で二人きりで過ごしたいと…」

ママ「あら、構わないわよ、気にせず行ってらっしゃい。あの子は一度決めると絶対に曲げない性格をしているから、私から何を言っても無駄なのよ〜。もう26になるのに反抗期が終わらないの〜笑」

パパ「実は俺と妻も若いころに駆け落ちして、ここで暮らしているんだ。だから二人で幸せになってくれよ!!」

ママ「いつでも帰ってきていいってことは伝えておいて、大丈夫だとは思うけど。あ、お店の心配はいらないわよ、5人の妹たちがお店を継いでくれるわ」

妹たち「まかせてー!」

「ほら、心配いらないだろう?」

ソーダーさんは自慢げに微笑んでいる。

「心配大有りだよ、まったく…どうしてボクが実家を出ていきたがっている設定になってるんだ!!あと10年は実家にいようと思っていたのに…!ああもう、でも…ボクの両親は寛大だからな…多分今頃普通にパスタとか食べてるよ…。だけどボクとソーダーさんが恋人っていう設定なのは無理があったんじゃないか?家族もどうして信じたんだ…」

「どうしてそう思うんだい?」

「ソーダーさんがボクと比べ物にならないくらい美男子だからだよ…。美女と野獣とまでは言わないけどさ…ボクの顔立ち、結構地味だろ?」

「なるほど、わたしは美しいからね…カーランクくん、でも心配はいらないよ。きみの家族も不信には思っていなかったしね…恐らくわたしが美しいから説得力があったんだ。ほら、顔を上げて元気を出して、顔立ちはわたしよりは地味かもしれないけれど、カーランクくんからは煌びやかなイメージも感じられる。首につけた紫色の宝石、とてもきれいだし似合っている」

「ありがとう。ボクはこう見えておしゃれとか、綺麗なものは好きなんだ。特に宝石とか天然石が好きで、よく身に着けてる」

「綺麗なものが好きってことは…わたしのことも好きなんだね。照れてしまうよ」

「…顔は好きかな、顔はね。性格は…う〜ん…興味はあるけどね」

ボクがそういいながら首をかしげると、ソーダーさんは楽しそうに笑っていた。本当に、勘弁してくれよ。こんな奇想天外な出来事に巻き込まれてしまったなんて。

ソーダーさんはパスタを作ってくるね、と言って部屋を出ていった。ソーダーさんが出て行ったあと、一応扉を確認してみたけれど、やっぱり鍵か変な魔法がかかっているようでびくとも動かなかった。ピンクのリボンで結ばれた両手。こんなことをして、ソーダーさんは暇なのだろうか…。

それとも何か考えがあるのだろうか。

薄桃色のフローリング、近くにあった薄紫色のクッションの上に腰を下ろす。昨夜のことを思い出してみる。

(魔法が実在していたなんてな…魔法が研究されて解明され、皆が使用できるような時代、そんな時代がいつかやってくるのか。たしかソーダーさんは未来から来た魔法使いって言ってたよな…。でも、時間を超えるのは世界魔法ルールってやつで禁じられているから、魔法管理隊とかいう警察みたいなのに捕まったら大罪人になるんだって…)

「考えてみたらソーダーさんって秘密しかないじゃないか…。何しに未来から来たんだ?ボクのこと閉じ込めたりしてさぁ…何がしたいのかさっぱりだ。清々しいくらいナルシストだったし。変な人…。でもなぜだろう、流されてる自分もいる。やっぱり顔がいいからか?なんだか…

わくわくする」

「顔がいいなんて照れてしまうよ。さぁ、おひるごはんの時間だよ、おいしいトマトパスタができた!」

ソーダーさんが部屋に戻ってきた。テーブルにいい匂いのする、具材少なめのシンプルなトマトパスタとフォークが2つ置かれる。

「いい匂い…た、食べてもいいの?」

「もちろん!自信作だよ。あ、リボン外してあげるね」

「じゃあいただきます…」

フォークでパスタをクルクルと巻き、口に運ぶ。ジャリ。

「つ、冷たい!?これ端っこ凍ってるじゃん!?」

「ああ、…本当だ、少し冷たいね、電子レンジの加熱時間が足りなかったみたいだね。パッケージの裏面の加熱時間を一分ケチったのがいけなかったみたいだ。でもまかせて、すぐに後1分加熱してきてあげるから!」

パスタのお皿をもってまた部屋の外へと消えていくソーダーさん。即席の冷凍パスタだったのか…まぁそれもおいしいけれど。魔法が使えるのに冷凍パスタがうまく作られないなんて、面白い一面もあるんだな。なんとなく、何でもできる人…みたいなイメージがあったけれど、彼もボクと同じ人間なんだ。…それにしてもソーダーさん遅いな。あ、やっと部屋の扉が開いた。

「おまたせ、カーランクくん!」

ソーダーさんは、電子レンジで温めすぎて膨れてふにゃふにゃ、端のほうは水分が抜けてパリパリになったパスタを持っている。

「わたしは心配性だからね、あと5分温めておいたよ、これでしっかり温まったはずだ。どれどれ…うん、温かくておいしい!」

「う、うん…お、おいしい…。」

「おいしいねぇ」

「…なぁソーダーさん、この家キッチンないの?」

「あるよ、それがどうかしたのかい?」

「晩御飯はボクがパスタを作ってあげるよ、逃げないか心配なら後ろで監視してもいいし、なんでもいいからさ。材料だけ買ってきてくれたらヘルシーでおいしいの作れるよ。ボク、家事はしてたし」

「ほ、ほんとうかい?わたしは料理が苦手でね…練習する気も起きないのだよ。だから電子レンジだけでおいしいパスタが食べられる魔法のような冷凍のコレが気に入っていたのだけれど…誰かの手料理を食べられるなんて久々で胸が高鳴ってしまうな。この部屋からカーランクくんを出すのは逃げないか心配だけど、リボンで繋いでいたらいいか♪よし、食べ終わったら早速晩御飯の材料を買ってこよう!」

「材料何買ってきてもらおうかな、何パスタがいい?」

「…カーランクくん、もしよければ、だけど…食べたいパスタの味があるんだ。レシピは持ってる。それを作ってくれないかな?」

「材料とレシピがあるなら大丈夫だよ」

「うふふ、ありがとう」

思わず言ってしまった…でもいいや、後悔はしていない。子供のように無邪気に笑う、嬉しそうなソーダーさん。こんな表情もするんだ、いいな。

食べ終わると彼は早速出かける準備を始めた。目立たないラフな格好に着替えて、これからスーパーに行くらしい。ボク?ボクはもちろんこの家でお留守番さ…アー。

「いいかい?もし扉が叩かれたりしても開けてはいけないからね。まぁ、ここには誰も入ってこられないし、きみも開けることはできないから心配はいらないと思うけれど。でも一応リボンでぐるぐる巻きにしておこうかな…わたしは心配性だからね」

「ぇえ、嫌だなぁ…」

リボンでぐるぐる巻きにされ、転がされたボク。ソーダーさんは颯爽と買い出しに行ってしまった。どれくらいこの状態で待たされるんだ?魔法で材料を出したりできないのか?…いや、魔法で出された具材を食べるのは、それはそれで少し嫌な気もするけど…未知すぎて。

そういやお風呂に入ってない、ソーダーさんが戻ってきたらシャワーを借りようかな。綺麗好きだから、お風呂には毎日…いや、1日3回は入りたい。展望台の地べたに転がったり、ドラゴンに触れたりもしたし。

天井を見ながら時間が過ぎていくのを待つ。おなかもいっぱいだし、なんだか眠くなってきたな。そっと瞼を閉じる。ボクはいつの間にか眠ってしまった。(最近仕事が忙しくてあまり寝られていなかったんだよ…)

…。

しゅるしゅるとリボンがほどかれていく感触。

ソーダーさんが帰ってきたのかな。

どれくらいの時間がたったのだろう。

目を開ける。

「お、起きたか。よっ、紫色の似合う兄ちゃん。名前は確か…カーランク、だっけ?」

「え!?」

焦茶色の髪、どこか冷たさを感じるキリリとした瞳。ソーダーさんじゃない、知らない人だ…!!

「あはは、ビビってんじゃねぇよ。まぁ無理もないか?俺の名前はポロンボウ、あえて自己紹介するなら…そうだな…俺は、魔法管理隊員だ」

続く

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