【星のはなびら2~対決☆タコタコタコ星~】13話【次回で完結予定☆←勘違いでした。完結は次々回】

…デスゲーム会場跡地(緑色の発明の星と青色の不死の星の中間地点)…

からす、ささめき、さくま、むむは、ことおが操作しているモニターを見つめていた。

ミニキスはタコパチを探しに行っている。直ぐに戻って来るはずだ。

ささめき「ねぇ、ことお。さくらとオキとタコダイオウは無事なの?トラブルはなさそう?」

ことお「…無事だと思う。ほら、モニターに三人が存在していることを示すアイコンがしっかり表示されてるだろ?追跡できてる。」

くまがことおを心配そうに見つめている。ことおの隣にはタコダイオウが横たわっている。先程空中にポンッと現れて落ちてきた、タコダイオウの新しい機体だ。タコタコタコ星の星の化身が作って、届けたものだ。意識はなく、目を閉じたまま動かない。

ことおのコンピューターからピピピと通知音が鳴った。

ことお「どうやら、K-時空逆転マシーンが作動したみたいだ。上手くいくといいけど。早く帰ってきてくれ…。」

さくま「ふん。何も出来ないのがもどかしいな。」

むむ「オキ君たち、頑張って!」

からす「はやくさくら君に会いたい、ぎゅっとしたい…。」

雨が降ってきた。ぱらぱら、ぱらぱらと。

…その時、コンピューターがプツンと途切れて動かなくなった。

モニターも暗くなり、何も映っていない。ことおがスイッチを押したり、手をかざしたりしても、コンピューターはぴくりとも動かない。

ことお「あれ…?」

さくま「雨の影響か?電池切れか?」

むむ「なになに?大丈夫?」

ささめき「また星の力が届かなくなったのかしら?」

コンピューターの部品がバラバラになって、ボロボロになって崩れはじめた。部品が落ちて、水溜まりに転がっていく。

ことお「…くっそぉ」

くまは何が起きたのか分からずにオロオロしている。ことおはくまを安心させるために、黙って抱いた。

からす「…ことお君、修理できるか?時空のトンネルの影響で壊れちゃったのだろう」

ことお「違うんだ、突然星の力が使えなくなったんだ。このコンピューターは俺の星の力で作って、動かしているものだから、星の力がないとそもそも動かないんだよ。

…はぁ、まさか。そんな。いや、違うよな?

オキが、オキがK-時空逆転マシーンに搭載した力を使い切った…なんてこと、ないよな!?

使い切ったなら、オキは帰って来られるんだよな?

…うそだろ、オキ。大丈夫かよ、機能停止なんてしてないよな?」

ことおは動揺している。信じたくない可能性。大きな不安が押し寄せる。

からすはタコダイオウの機体の元へ駆け寄った。

からす「た、タコダイオウ君、起きてくれ!オキ君とさくら君の身に何があったのか、教えてくれ!」

しかし、タコダイオウは動かない。

からす「…起きないな。これはつまり、タコダイオウ君はまだ、時空のトンネルの中で頑張っているということではないか?」

ことお「そ、そうだよな、大丈夫だよな」

むむ「ことお君、大丈夫?力を使えなくなっちゃって、悲しくない?無理しないでね」

むむはことおを励まし、肩を揉んだり、頭を撫でたりした。

ことお「ありがと、大丈夫。オキに会えるなら、力なんてどうでもいいし。とおこにも会いたい。それだけなのに。…難しいな。」

ことおの表情は暗く、辛く、深刻…自信を失ってしまった様子だ。

ささめき「難しいことじゃないわ。私たちは信じて待つだけでいいのよ、それだけよ。気持ちは届くと思うから、諦めないようにしましょう」

さくまはタコダイオウの機体を観察している。

さくま「タコタコタコ星の化身は、ロボットを二台同時に動かせないのか?一言話したり、返事したり、瞬きしたりすることもできないのか?多くの星を侵略していたのなら、様々な星の力を使えるはずだし、それくらい出来そうな気もするが…。」

からす「余裕がないのだろう。きっと時空のトンネルは、それほど過酷なんだ。しかし心が落ち着かないな、状況が知りたい。手助けできることがあるかもしれないし…。

…イカパチ君はタコダイオウ君のことをよく知っているはずだ。話を聞いてみたいが、今どこにいるのだろう。

デスゲームなんてしている場合ではないのに。」

からすは悲しそうにうつむき、ぎゅっと服を掴んだ。

からす(星の化身のわたしが下を向いていてはいけないか…、皆頑張っているのに。)

顔を上げると、ミニキスとタコパチが走って戻ってきているのが見えた。ミニキスの肩にはフィカキスが座っている。

ささめき「良かった、タコパチさん、見つかったのね。」

ミニキス「うん、合流できたで。イカパチさんとクロサキも、無事やった。

あのな、タコパチがクロサキの秘密を知ってしまったらしいんや。絶対秘密にせなあかんことらしい。」

ささめき「秘密?私たちには話さない方がいい内容なの?」

タコパチ「うん。だから、他の人には絶対言わないで欲しいことなんだけど…。」

さくま「我々は口がかたいから、安心しろ(わくわく)」

皆集まって顔を寄せて、タコパチの内緒話をドキドキしながら聞いた。

タコパチ「クロサキのやつが、大ケガしたイカパチを助けるところを見たんだ…!

僕にも扱えないような、高度な回復魔法を使っていたんだ。

クロサキは魔力を隠して、魔法を使えないフリしてるだけで、本当はすっごい魔法が使える、魔法使いなんだよ。」

フィカキス「言ってもうたけど、大丈夫なんか?」

ミニキス「大丈夫や。ほんまに秘密にせなあかんことは、墓場まで持っていくもんやねん。」

フィカキス「それもそうか…オレらが喋らへんかったとしても、誰かが盗み聞きしてた可能性もあるもんな。クロサキの責任やわ。」

ミニキス「せやせや、オレらは口がかたいから、大丈夫や。」

タコパチはクロサキとのやりとりを全て打ち明けた。クロサキから受け取った金色の鍵で、皆、金色の腕輪を外した。

からす「クロサキ君とイカパチ君を探そう。きっと、他にも隠していることがあるはずだから、話を聞こう。ゲームの制限時間は五時間だったよな、時間も迫ってきているし…デスゲームもやめてもらおう。

全員で協力すれば、きっと前に進める。」

ことお「あいつらと、きょ…協力するのか!?マシロたちと!?」

からす「ああ、そうだ。嘘をついたり、ゲームやケンカをしている場合ではない。さくら君たちを助けることが最優先なんだ。さくまちゃんの力も取り返して、時間の宝石を入手した経緯や秘密も確認しよう。さくら君たちを助けるための、ヒントを見つけられるかもしれない。」

さくま「そうだ、クロサキから我の力を取り返さなければ。我の記憶をみる力があれば、隠し事はできない…全て暴くことができるはずだ!」

ことお「わかった。からすたちは俺を信じて、協力してくれたんだもんな…。俺も皆を信じて協力するよ。くまもそれでいいよな?」

くまはうなずいた。

ささめき「…むむちゃん、私たちの星に住んでいる皆は別世界に避難できているのよね?混乱していないかしら。」

むむ「大丈夫だよ。マシロ君たちのデスゲーム生中継は、あたしの魔法で子ども番組に変えておいたし。さくら君たちが戻ってきて、全部解決したら、星を元に戻そう。」

ささめきはうなずき、皆の無事を願うように、真剣な眼差しで夜空をみつめた。……ん?

チカチカと不自然に点滅している星がある。

その星は少しづつ大きくなっている。

まさか、近づいてきている…!?

ささめき「何あれ。皆、あの星を見て!」

さくま「なんだあの星は!?」

危険を察知し、タコパチとミニキスはブレイブ☆タコキスに変身した。フィカキスが肩に飛び乗る。むむとさくま、ブレイブ☆タコキスは皆を守る体制を整えた。

どんどん近づいてきている…あまり時間は無さそうだ。雨も大粒になって、ザアザアと降り始めた。

ブレイブ☆タコキス(タコパチ)「よく見て。あれ、星じゃないよ。

多分…宇宙船だよ!

からす「宇宙船!?」

からすが目をこらすと…その宇宙船は激しく燃えており、真っ黒の煙をもくもくとあげながら、空間を切り裂くような勢いで、落ちている様子が見えた。

ことお「誰が乗ってるんだ!?このままだと不時着する。あんなスピードで衝突したら、大爆発して、青色の星はめちゃくちゃになるかもしれないよ!?」

からす「どうしようか、バリアを作るか!?」

ブレイブ☆タコキス(ミニキス)「炎魔法で食い止められるやろか…!?」

ささめき「あの宇宙船、怪しいわ。なんだか嫌な感じがする…、…まずは身を守りましょう、逃げるわよ!!からすさんもさがって!!」

からす「星がめちゃくちゃになるかもしれないんだぞ…。」

泣きそうになりながらも、からすは後ろにさがった。

むむはからすを、さくまはことおとくまを。ブレイブ☆タコキスはささめき、フィカキスを。飛べる人が飛べない人を抱えて、夜空に飛び立ち、避難する。

ことお「雨だから見えにくいけど…あの宇宙船の光、燃えているだけじゃないように見えるね。星の力か、魔法か…何かが暴発して、制御不能になっているみたいだ。あんなの、超強い魔法使いでも、簡単には止められない。逃げて正解かも。」

からすは心配そうに、地上に向かって叫んだ。

からす「…クロサキ君、イカパチ君!どこにいるんだ!あなたたちも、逃げるんだぞ!」

ーーー

不時着しようとしている宇宙船には実は

さくらとオキ、ユニタスが乗っていた。

ーーー

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