【星のはなびら2~対決☆タコタコタコ星~】13話【次回で完結予定☆←勘違いでした。完結は次々回】

マシロとクロサキも、空を見上げた時に、怪しい星を…制御不能の宇宙船を見つけた。プランは無いが、落下予測地点に向かって走っていた。

マシロ(イカパチ)「クロサキ君、あれ何!?宇宙船?隕石?お兄ちゃん達は僕らを置いて、空に逃げたみたいだよ。どうする?何とかしないと。」

クロサキ「俺もわかんねぇ。…宇宙船か?あの光、燃えているだけじゃないように見えるぜ。星の力か、魔法か…何かが暴発して、制御不能になっているみたいだ。素手で止めるのは、難しそうだ。俺たちは飛べねぇし…。」

マシロ(イカパチ)「ジャンプすることならできるよ。様子を見てくる、着いてきて!」

マシロは全身の筋肉を使って10km以上飛び上がった。マシロは強いデスゲーム主催者になるために、毎日鍛えているが、それが役に立った。

クロサキ「はぁ!?真似できるわけねぇだろ!」

クロサキは地上で叫んだ。

空中。飛び上がったマシロには、近付いてくる燃え盛る宇宙船が、スローモーションのように見えていた。更に神経を研ぎ澄まし、じっと見つめた。

マシロは、宇宙船にさくらとオキ、タコダイオウ(ユニタス)がひっかかっているのを確認した。

マシロ(イカパチ)「…そういうことか。頑張って戻ってきたんだね。」

マシロは両手を突き出して身構えた。

興奮して目を見開いて、ニヤリと笑った。

クロサキ「マシロ!!あんな物をひとりで食い止めるなんて、絶対に無理だ、やめろ!!」

マシロの気持ちがわからない、信じられない…クロサキは慌てて走りはじめた。

からすやブレイブ☆タコキスたちも、驚いた様子で、その一瞬の状況を見つめていた。

マシロが宇宙船とぶつかる直前。

クロサキは地面を蹴って、

魔法を使って飛び上がった。

マシロを守るように抱きとめて、宇宙船の前に、巨大な魔法陣を出現させた。

魔法陣を通過した宇宙船は機能停止した。炎もかき消された。

クロサキはマシロが潰れないように守りながら、落下する宇宙船に体当たりし、食い止めようとしたが、宇宙船は想像以上に重く、クロサキの力では受け止めきれなかった。

クロサキを押し返し、落下し続ける宇宙船。

ブレイブ☆タコキスは慌てて、抱えていたささめきをさくまに持たせて、飛び立った。ことおとささめきを抱えているさくまは、重そうにしながら、ふらふらと飛んでいる。ささめきとことおは落ちないように、仕方なく体を寄せあった。

ブレイブ☆タコキスはクロサキの隣に駆けつけて、宇宙船を全力で押し返した。

協力し、地面ギリギリの所で宇宙船を食い止めて、宇宙船は着陸した。

衝撃でブレイブ☆タコキスの変身が解けて、タコパチとミニキスは地面に投げ出された。

ミニキス「痛っ、…タコパチ!ケガしてないか!?」

タコパチ「してない!大丈夫だよ」

フィカキス「びっくりした」

クロサキとマシロも地面に転がった。

皆も地上に降りてくる。

マシロ「…痛いなぁ、もう〜」

マシロがゆっくりと体を起こした。クロサキは疲れきった様子で、はあはあ…と息をしながら寝そべっている。

タコパチはマシロの元へと駆けよった。ミニキスとフィカキスも立ち上がった。

タコパチ「イカパチ!しっかりして…。」

マシロは「これくらい大丈夫だよ」とつぶやき、立ち上がった。なぜか、クロサキの方を見ながら、ニヤニヤしている。クロサキも重い体を起こして、立ち上がった。

クロサキ「マシロ。マジで何考えてんだよ…ヒヤヒヤした」

マシロ「あは☆このデスゲーム、僕の勝利だね!

僕、クロサキ君にだけは負けたくなかったんだ♡だから、クロサキ君がいちばん大切にしているものを確認するために、体を張ったんだよ。

…僕の王子様は嘘つきだった。本当は時間の宝石の作り方を知っていたり、強い魔法を使えたりするのに、僕よりも弱いフリをしていたんだ。クロサキ君は正体を隠してる。僕には手が届かないような、秘密がある。

その秘密と、僕。

どっちが大切か?

確かめてみたかったんだ♪

クロサキ君は皆の前で特別な魔法を使って、僕を助けた。

つまりクロサキ君がいちばん大切にしているものは〜、秘密よりも、マ・シ…」

その時、クロサキがマシロの頬をバシッと叩いた。ゲームに夢中になっていたマシロは、え?と戸惑った。大好きな王子様に手をあげられて、怯えて、瞳に涙が溜まっていく。

クロサキは顔を真っ赤にして、怒っている。

クロサキ「いい加減にしろよ!!

こんなの、全然面白くねぇ!!

ゲームなんかどうでもいい。

マシロがしぬなら、何もかも無意味なんだ。

オキたちの爆発に巻き込まれた時も、お前は「ゲームの答えが書いてある封筒」に手を伸ばそうとして、大ケガしたんだ。その時も俺が回復魔法を使わなきゃ、しんじまってた。

面白がって、しぬかもしれない行動をした時点で、マシロの負けだ!

…言っとくけど、俺なんかに説教されるって、相当のバカだからな!

タコパチとミニキス、フィカキス、ふゆの…比較的まともな奴らの言葉を無視し続けてきたから、最後に残った俺なんかに怒られることになったんだ。

いい加減認めろよ。マシロは俺のことを特別だって思ってるだろうけど、王子様も兄も、友だちも部下も、同じようなものだ。お前にしんでほしくないって思って、マシロを心配してるだけだ。

お前が俺と一緒にいると居心地がいいと感じるのは、お前が俺と同じくらい、何も考えてないバカだからだよ!

他人のことも、自分のことも大切にしないし、見ようともしない。プライドもない。そんな今のマシロが、いちばん大切にしているものを言っても、ダサいだけだ。マシロにはこのゲームの主催者失格だ。

こんなつまんねぇデスゲームはおしまいだ!解散!

クロサキは背中を向けて、スタスタと歩きはじめた。

ミニキス(完全に興ざめって感じの空気やな)

フィカキス(デスゲームは終了やな)

マシロは泣きながらクロサキを追いかけようとしたが、タコパチが袖を掴んで引き止めた。

マシロ(イカパチ)「ぅ…、ぅ…、うぇ〜ん!クロサキ君、行かないで。待って、怒らないでよ…行かないで、ぅう…僕が悪かったからぁ!」

マシロはペタリと、地面に座り込んだ。

マシロ(イカパチ)「ぅう〜、バカバカ!」

マシロは頬を膨らませて、クロサキに向かって、15センチくらいの石を投げた。

クロサキ「…何すんだよォラ!!

石は頭に直撃し、クロサキは鬼のような顔で振り返った。額から血が流れて、ぽたぽたと地面に落ちて、水たまりに赤色がにじんだ。

タコパチ「…クロサキ、そんな風に怒らないであげてよ。ガラ悪すぎるよ!」

クロサキは、更にイライラして、自分の金色の腕輪を外して投げ捨てた。「頭冷やしてくる」と言い捨てて、どこかに行ってしまった。

みんなの前でクロサキに怒られて、マシロは悔しさと恥ずかしさでいっぱいになっていた。

顔を真っ赤にして、涙目になって、体を震わせて、爪が食い込むくらい、手のひらを握りしめた。

マシロ(イカパチ)「僕の…負けだ。

僕の、負け。

僕は…負けたんだ。

勝ったつもりになってただけで、ずっと、負けてたんだ。

ずっと、ずっと…

負けてたんだ。」

マシロは雨も泥も気にせずに、うずくまった。デスゲーム主催者の衣装、マントが、力を失って汚れた地面に広がった。

泣き声を我慢しようとして、力がいっぱい入って、体が震えていた。

悔しそうに、寂しそうに、拳で地面を、何回か叩いた。

金色の腕輪にも泥がはねて、くもりガラスのようになり、輝きを失っていた。

タコパチはその拳に手を伸ばした。マシロの手を優しく広げて、手のひらを重ねて、握った。

タコパチ「イカパチ、大丈夫だよ。クロサキは帰ってくるよ。」

タコパチは嫌がるマシロを無理やり抱きしめて、よしよしと頭を撫でた。

タコパチ「僕はイカパチのこと、大好きだよ。

お兄ちゃんがついてるよ。」

マシロは少しだけ迷った後、片手をゆっくり動かして、タコパチの背中に添えた。

マシロ(イカパチ)「……うん。お兄ちゃん。ごめん。

ごめんね。」

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