あおいろの戦士「星を犠牲にしてからすを守る」

ごめん、皆。悪いことをしている自覚はある。それでも、選ぶとかねぇんだ。最初から、からすを犠牲にする選択肢なんてなかったんだ。この星より、俺の命より、守りたい存在。それが

からすなんだ。からすは武器や道具じゃねぇし、からすを守れるのは、俺だけなんだ。

…わかってる、俺もそこまで馬鹿じゃねぇ。からすを選んじまったら俺もからすもこの星も、過去も、未来も、全部消えちまうって。結局、俺の手でからすを守るのは難しい運命なんだ。それでも、いい、俺はからすを裏切りたくない。恋に責任を持ちたい。だから、これはからすのためだけじゃなくて、俺のためでもある。

からすだけは、この恋心だけは誰にも、何にも譲れないんだよ。からすより大事なものを作りたくねぇんだよ。俺が貫くのはからすを愛して守ること…。この星とからすを天秤にかけてとっくにからすを選んじまってたんだ、俺は。

「からす、さいごに二人でなにする?」

死にかけの体で絞り出した声。

俺の声をきき、俺の表情をみたからすは、俺の決断を察したようで、一瞬だけ…サファイアブルーの瞳に影を落とした。ショックうけるよな、そりゃそうだよな、…この星は諦めるって言ってるのと同じことだもんな。でも、すぐに微笑んで、いつもの楽しそうなからすに戻った。

「さくら君…かっこいいな、最後までわたしの傍にいてくれるんだな、嬉しいぞ。不安も恐怖心も、和らいだ気がする。

さくら君、わかっているぞ、もう体が限界なんだろう?さいごにキスして、わたしの腕の中で眠ってしまえばいい。ずっとずっと、抱きしめているから、大丈夫だぞ」

「…ああ、そうする。ありがとう、からす」

からすの腕の中。頬に手を添えて唇を重ねた。恋に溺れて深く深く重ねた熱は、変わらない安心感と優しさを運んできた。

俺、幸せだよ。

窓の外の張りぼての月が俺達を笑っていたとしてもいい。

今だけ、許してくれよ。

ここは、俺とからすが幸せになるためだけにある、俺の宇宙だって、思わせてくれよ。

「…さくら君、ありがとう。本当はわたしを選んでくれて、すごく、すごくうれしいんだ。全部わたしのせいにしていいから。さくら君、ずっと愛しているぞ」

「へへ、俺も。愛してる、ずっと」

でも、これでいいのかな。俺はこれでいいよ。

でも、からすは…ここにいたら

オキに見つかって…殺されるのかな。体ぐちゃぐちゃにされて、爆弾を取り出されるんだろうな。俺が殺されるところも、からすは見るのかな。

可哀そうだよな、悲しいよな。どうしようもねぇのか?

俺にできることは、本当に残ってねぇのか?

せめてからすだけは、なんとかしてやれたらいいのにな。

からすが死ぬのは嫌だ。この気持ち、どうすればいい?

あと15分くらいある。

ごめん、ごめん。

~物語が分岐します、どちらか選んでお進みください~

何もせず目を閉じて眠る

からすを宇宙へ逃がす

自分の手でからすを○して楽にしてあげる

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