ふと頭をよぎった。オキに殺されるくらいなら、いっそ自分の手で、…苦しまない方法で、なんて。どうしてそんなに酷くて恐ろしいことを思いついてしまったんだ。からすを守りたいんだろ?それなのにどうして…。
俺は自分の追い詰められて暴走する、独りよがりな感情に怯えた。
目を閉じて、心を落ち着かせようとする。でも、死を目の前にして、感情をコントロールするのは難しかった。悲しくて苦しくて、痛くて、どうしても自分が楽になることばっかり考えてしまう。
青白くなった俺の顔を見て、からすはおろおろしていた。
そして、溶けているように見えるくらいに瞳をにじませて、ぽろぽろと泣きはじめた。笑う余裕なんてないはずなのに、それでもからすは俺の心を包むようには口角をあげて見せた。
優しいからす。まさか俺の中に、殺意が芽生えているだなんて思ってもいないだろう。からすは何も悪くないのに。愛しているのに。こんなことを考えてしまって、ごめん。
「さくら君…?」
焦りに身を任せて、俺はからすを真っ白の布団に乱暴に押し倒して、その上にまたがった。こんな形で終わらせてごめん。俺を許さないでくれ。
それでも誰にも渡したくないんだ。
俺は右手でからすの、首を掴んだ。
白くて柔らかい肌に、俺の汚れた爪が食い込む。
大切なからすを奪われるくらいなら、他人の手でぐちゃぐちゃにされるくらいなら自分の手で終わらせる。
からすは俺がやろうとしていることに気が付いて、青ざめた顔で体を震わせた。瞳の中で絶望の色が揺れ、表情も消えた。
「…俺もすぐ、そっちに行くから」
食い込んだ爪の先から、青色の液体が糸の様に流れた。からすの血の色なんて、知りたくなかったな。
俺はこれ以上何も見たくなくて、目を閉じて右手にグッと力をくわえた。
かたい骨の感触を感じた
「…ッ !!!」
その時からすが何か言いかけた。
俺は
~物語が分岐します、どちらか選んでお進みください~