星のはなびら一章【理想の夢を作る方法を探す】

そうだ。オレはささめきが好き。その想いに素直になったっていいんだ。

現実から逃げて妄想して、夢をみたっていいんだ。嘘のない世界、愛し合える世界。いくら後悔しても、現実はもう変えられない。きっとオレも変われない。悪いのはオレじゃないと…思わせてくれよ。思ってみたいよ。思えばいいんだ。

そう決意したら心が軽くなった…素直になればいいんだ、素直に…。

「オレ、妄想癖があるんだ。睡眠薬を飲むと、夢と現実が曖昧になって気持ちがいいんだ。オレは今夢を見てる。警察がオレを見つけるまでの間、オレを起こすまでの間…変なおばけと友達ごっこする夢を見てる…愛した人と会えない、そういう夢を見てるんだ」

「友達「ごっこ」…?」

「うん、本気になんてなれないよ。オレの世界はささめきだけ」

…不安になってふうががキッチンまで来る。泣きそうな顔をしている。

「寂しいこと言うなよ…おれ、ごっこ遊びなんてしてない!」

「怖いから、ふうがのいうこと聞いてるだけ。自分の名前忘れたりする友達嫌だよ。邪魔なんだよ」

「…おれ、怖い?いや?じゃま?」

「この霊界の主はオレなんだよ、ね?ささめき」

シンクに置いていた包丁を手に取る。「ゆずは、何考えてるんだ?」と、ふうがは冷や汗をかいて固まっている。

ここは夢の中…だからためらいもなく振り下ろせた。

邪魔なやつは、消せばいい。

左胸を狙ったけど、ふうがの腕に遮られた。右腕に深々と刺さる…血は出なかった。包丁を抜いて、今度こそ胸を狙おうと振り上げる。腰が抜けたふうがは座り込み、「ごめん」「やめろ」を繰り返して叫び泣いている。

「いたい…ゆ、ゆずは、ゆずはぁ、いたい、こわい」

「ねぇ、ささめき、オレ、ささめきのことまだ好きだよ、早く愛してるって言ってよ」

ふうがは紫の光を放ち、オレを弾き飛ばした。壁に背中を強く打ち付け、動けなくなる。

「ゆずは…」

ふうがは霊力で傷口をふさいだ。オレの持っていた包丁も素早く消し去る。

(そう簡単には…無理か…、オレの心を破るのは)

「ゆずは、こわいやつ!こわい!こわい!ともだちなのに、こわい、こわい…はぁ…謝れよ、おれ怒ってる。友達に戻るために、早くごめんなさいって言えよ!!」

鬼のような表情で顔を真っ赤にしたふうがが近づいてくる。そしてふうがはオレの腕を掴んで無理やり立たせようとした。オレは…

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ふうがの顔を思い切り殴りつけた

隠し持っていた鏡の破片でふうがを切りつけた

ふうがに消えてほしいと伝えた

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