不時着した宇宙船から転がり落ちてきたさくらとオキ、ユニタス。宇宙船は壊れており、もう動かせそうにない。
からす「さくら君!!」
からすはさくらを見つけた瞬間、無我夢中で走り出した。ぎゅっと抱えて、地面に寝そべった。
からす「あ〜良かった!!怖かっただろう、頑張ったな、もう大丈夫だからな!」
俺、しんだのか?と思いながら目を開けると、大好きなからすが見えて…さくらは安心して笑った。
さくら「へへッ、…帰って来られた。マジで怖かった。会いたかったぜ、からす!!」
からすはさくらの目からこぼれた涙を、指で拭った。それからさくらの胸に顔を押し付けて、「良かった…」とつぶやいた。しゃっくりと涙がとまらなくて、体を震わせていた。
からす「…わたしも怖かった。はぁ、…良かった。良かった。」
さくら「ありがとう、からす。大好きだぜ。」
からす「わたしも大好きだ、さくら君。」
さくらとからすは、立ち上がって、ささめき、さくま、むむの方を見た。
さくら「皆ありがとう。心配かけてごめんな」
さくらは申し訳なさそうに笑った。
ささめき「もう〜、遅かったじゃない。もっと早く帰ってきなさいよ、心配したわよ!」
さくら「泣くなよ、ささめき。」
ささめき「な、泣いてないわよ」
さくま「くっくっく〜♪さすが、青色の不死の星の要だな。さくらは本当に粘り強い♪この星の自慢の存在だ。」
むむ「ね!時間の宝石の力を乗り越えて、帰ってきたなんて、さくら君達、本当にすごいよ。最強じゃん♪本当に心配したんだから!」
さくら「さくまに褒められて、むむに心配されるって、珍しいよな!何だか変な気持ちになった!笑」
心が軽くなって弾けた。青色の不死の星の信じあう心、強い絆を誇らしく思った。この星が大好きだ。さくら達はハイタッチして喜びを分かちあった。
さくらの元にミニキスが近付いてきた。
ミニキス「さくら、無事で良かった。俺とタコパチが余計なことしたせいで、怖い思いさせてしもうて…ほんまに反省してるから、ごめんな」
さくら「な、何言ってんだよ!これからも友だちでいてくれよな♪頼りにしてる」
ミニキス「ありがとう。はぁ、安心した。」
フィカキス「丸く収まって良かったな〜!」
さくらたちは輪の中にミニキスをいれて、皆で、もう一度ハイタッチした。
…ことおとくまは、オキの元へと駆けつけた。ことおはオキの手を大切そうに両手で握った。
ことお「マジで良かった、オキなら帰って来るって信じてたけどさ…俺は待つことしか出来ないし、心配で心配で、メンタル崩壊しちゃってたよ。おかえり。」
オキ「ただいま。あのね、ことお君、僕、力、全部使い切っちゃったんだ…怒ってる?」
ことお「え?なんで怒るの?力を全部搭載しておいて良かった、帰って来られたんだから、大成功だよ!
オキが動かなくなってたら、超悲しかったけど…動いてるってことは、星の力以外のエネルギーを調達できたってことだろ?
流石だよ!感動!マジでハッピー!一生ついていきます♡」
オキ「僕たち、これからやっていけるかな?大丈夫かな?」
ことお「大丈夫♪どうするかは何も考えてないけどね。オキがいなきゃ、これからのことなんて、考える気にもならなかったんだ。まぁ、なんとかなるって♪」
くまは嬉しそうに踊っている。
オキ「うん、ありがとう。ことお君、くま。安心した。」
ユニタスも目を覚ました。ゆっくりと起き上がり、周囲を見渡した。皆が集まってくる。
ことお「あれ、新しい機体じゃなくて、こっちのタコダイオウが起きたの?マジで何があったんだ?」
からす「タコダイオウ君、なんだか雰囲気変わったか?」
さくら「…色々なことがあったんだ。話さなきゃいけない事が山ほどあるな。」
ユニタス「…ま、まさか宇宙船が真っ二つになってしまうなんて…僕とオキさんが気を失っていた間に何があったのか、早く知りたいです。オキさん、時空のトンネルのデータを記録したメモリーはありますか?」
オキ「もちろんあるよ。くま、メモリーに記録している映像を、地面に映してくれる?見てもらいながら、何があったか説明しよう」
くまはメモリーを口にくわえて、投写した。
からす「そういえば、ことお君のコンピューターは壊れてしまったが、くま君は無事で良かったな。再会できて、本当に良かった。」
ことお「そうだね、くまは星の力や魔法を搭載していない、乾電池式のロボットだから、俺の力の影響を受けないんだ。」
さくら「すっげぇ高性能なんだな。」
ことお「くまはオキの宝ものだからね♪元々はぬいぐるみだったんだよ」
くまはエッヘンと胸を張った。
ーさくらたちは、ゆずはとふうがと出会ったことや、ゆずはから聞いたイフと金魚八のこと、とおこの手がかり、宇宙船で起きたこと、全てを話したー
ーいつの間にか、雨はやんでいたー
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